体の相性
について、考えていた。
愛しあっていれば相性なんて関係ないとか言うけど。
全然そんなことはない。愛していても合わないもんは合わない。ワンナイトラブでも合うときはぴったり合う。
ま、同じ人と回数こなせばだんだん良くなるってのは真実だと思うが。
まず身長差、局部のサイズ差、体重差。どれもありすぎると相性は悪くなる気がする。
今の彼氏とは頭ひとつ分くらいの身長差であるが、彼氏のブツは長さも太さも比較的控えめ(失礼)で、私のは普通サイズなので、痛くて入らないなんてことは全然なく、むしろもっと圧迫感が欲しいくらいである。
体重に関しては向こうの腹肉が若干じゃまだが、デブすぎて挿入するとき長さが足りないなんてことはない。
立ちバックだけはどう頑張っても無理だったが、不可能な体位はそれくらいじゃないかな。
バック自体そんなに好きじゃないので別にしなくていいが。
あとは、挿入時間と回数。もっと長くしたいのに、とか、あと一回したいのに、などなど。
毎回会って寝るたびに思うのは、向こうは最初の一回目が一番気持ちいいみたいだけど、こっちは最初はそれほどでもない。女の快感は、火をつけるのにかなり時間がかかるが、いったん着火に成功するとずっと消えずに残っている。朝昼晩、2回3回と重ねるごとにどんどん燃えあがりやすくなっていくように思う。それとは逆に、彼はどんどん立たなくなっていく。悶々。
ちゃんと前儀で気持ちよくしてくれるし、終わってからも優しく抱いてくれる。いけないときもあるけど、それなりに気持ちいい。たまに動けないくらい生かせてくれるときもある。
全然悪くないし不満というほどではないけれど、最高と思える相性でもないんだよなあ。
彼よりもっと合う男が世の中にいることを知っているが故に、時々悲しくなってしまう。
好きな果物は?と聞かれると私の答えは間違いなく洋ナシであるが、じゃあ一生に一種類しか食べられないとすると、その果物は何?と聞かれると、答えは洋ナシではなくみかんになる。
大好きな食べ物と、一生飽きずに食べ続けられる食べ物が違うように、わたしにとって彼はみかんなのだろうけれど。たまには洋ナシが食べたくなる。
挿入の最中に萎えられて、吸っても擦っても復活せず気まずいままに終わった夜、私は洋ナシが食べたくて食べたくてたまならく切なくなっていた。