ショッピングモールのベンチで
可愛い女の子に幸せな気分にしてもらったので思い出メモ。
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連休最終日。
私たちは早起きして、近所のお気に入りのパン屋さんへ出かけた。
美味しいコーヒーがセルフで飲めてイートインもできる素敵なお店で、朝9時だというのに3世代で来ている家族連れやらカップルやらで賑やかなこと。
降り注ぐ朝の柔らかな太陽光に包まれながら、2階の窓から緑を眺める。目の前では好きな男がうまそうに食事をしている。
なんて贅沢な朝なんだろう。
ふたりともすこぶる食いしん坊なので、お互いのパンを分け合って食べ、持ち帰り用に買ったはずのパンもいくつか引きずり出して半分こして食べたりするのも楽しい。
幸せ朝ごはんの後は大型ショッピングモールで買い物。
ひととおり買い物を済ませた後、私はお手洗いへ行った。
私の買った洋服や靴や、カルディのコーヒー豆、晩御飯の材料が詰まったレジ袋なんかを沢山持って、前のソファで待ってくれていた彼氏。
トイレから戻ると、近くで遊んでいた小さな女の子と仲良くなっていた。
「この人、およめさんなの?」「ふたりはけっこんしてるの?」
「ううん、まだしてないよ」
「じゃあ、今日はデートなんだ?いいなあ」
「そうだよ、いいでしょ」
と、ニコニコと相手している彼氏。
もう私キュン死しそうだった。
その子は本当に人見知りしない様子で、両手の指を丸めて合わせてハートマークを作って私たちを冷やかしたりしてキャッキャしていた。
立ち上がって「じゃあね」と手を振って歩き出した。
彼氏と手をつないで歩いていると、背中にその子の親だろうか「かっこいいお兄さんだったね」と言う声が聞こえてきて、私は嬉しくてニヤニヤが止まらないのだった。
将来、あの女の子みたいに人見知りしない可愛い子供が私たちのもとに生まれてきてくれたならどんなに素敵だろう、と妄想した。
私と同じようなことを彼氏も想像してくれていたらいいなあ。
具体的な話はまだ何もないけれど。
「こないだ行った神社でなにをお願いしたの?」
「ずっと一緒にいれますように、って」
私もだよ。
神様どうかずっとこの人のそばにいさせてください。
本気で祈る毎日。