食欲と性欲の狭間で

生きている、頭からっぽ公務員@アラサーの女子日記

ショッピングモールのベンチで

可愛い女の子に幸せな気分にしてもらったので思い出メモ。

連休最終日。

私たちは早起きして、近所のお気に入りのパン屋さんへ出かけた。

美味しいコーヒーがセルフで飲めてイートインもできる素敵なお店で、朝9時だというのに3世代で来ている家族連れやらカップルやらで賑やかなこと。

降り注ぐ朝の柔らかな太陽光に包まれながら、2階の窓から緑を眺める。目の前では好きな男がうまそうに食事をしている。

なんて贅沢な朝なんだろう。

ふたりともすこぶる食いしん坊なので、お互いのパンを分け合って食べ、持ち帰り用に買ったはずのパンもいくつか引きずり出して半分こして食べたりするのも楽しい。

幸せ朝ごはんの後は大型ショッピングモールで買い物。

ひととおり買い物を済ませた後、私はお手洗いへ行った。

私の買った洋服や靴や、カルディのコーヒー豆、晩御飯の材料が詰まったレジ袋なんかを沢山持って、前のソファで待ってくれていた彼氏。

トイレから戻ると、近くで遊んでいた小さな女の子と仲良くなっていた。

「この人、およめさんなの?」「ふたりはけっこんしてるの?」

「ううん、まだしてないよ」

「じゃあ、今日はデートなんだ?いいなあ」

「そうだよ、いいでしょ」

と、ニコニコと相手している彼氏。

もう私キュン死しそうだった。

その子は本当に人見知りしない様子で、両手の指を丸めて合わせてハートマークを作って私たちを冷やかしたりしてキャッキャしていた。

立ち上がって「じゃあね」と手を振って歩き出した。

彼氏と手をつないで歩いていると、背中にその子の親だろうか「かっこいいお兄さんだったね」と言う声が聞こえてきて、私は嬉しくてニヤニヤが止まらないのだった。

将来、あの女の子みたいに人見知りしない可愛い子供が私たちのもとに生まれてきてくれたならどんなに素敵だろう、と妄想した。

私と同じようなことを彼氏も想像してくれていたらいいなあ。

具体的な話はまだ何もないけれど。

「こないだ行った神社でなにをお願いしたの?」

「ずっと一緒にいれますように、って」

私もだよ。

神様どうかずっとこの人のそばにいさせてください。

本気で祈る毎日。

海の向こうの素敵な男性

と、またお近づきになれたので思い出メモ。

 

10月末から2泊3日で中国の某大都市へ旅行していた。

職場の仲良しな女の先輩と、退職されている大先輩(私とは初対面)と空港で待ち合わせて直行便で中国へ。

あっという間に着くのね。

現地法人の所長をされている先輩(これまた初対面、アラフォー)をたずねての旅で、私は完全についていっただけなのだけど。

 

いやはや、大変に充実した旅でした。

おいしい点心にデザートに中華料理の数々。

美しい庭園、夜景、コスパ最高な足ツボマッサージもさることながら、

大先輩おふたかたに、今後のキャリアと人生設計について、うまいメシつつきながらしこたま相談にのっていただいたわけです。

キーワードは「予言の自己成就」、「20代は生かされる世代、30代は生かす側にまわることを意識する世代」

「男は話を聞いて欲しい生き物。しかも聞いた上で、すごいね、と言われたい生き物」

もうね、示唆に富みまくりな言葉ばっかりで。

さすが還暦の大先輩(キャリアコンサル)と、アラフォー所長。

女子ふたり、甘えまくり相談しまくりで至れりつくせりな旅でして、身も心も大変満足したのであった。

帰り際、皆なんだか本当に家族みたいな気分になっていて。

現地に残る所長は少し寂しそうだった。

所長「俺のファンになったからには、なんでも気軽に相談するんだよ」

はい、本当にありがとうございます。

あーあ。

モテキ?ってやつがあるとしたら、私は今それなのかもしれない。

心から素敵だと思える男性がまわりにいること、

その人たちと具体的にどうなるわけでは決してないけれど、友情や同士愛や師弟愛、家族愛、みたいな絆で結ばれているっていうだけでも、本当に素敵なことだと思う。

人生っていいもんだな。

年齢を重ねるっていいことだなあと、しみじみ感じた旅であった。

かれぴとも順調すぎるくらい順調で言うことナシ。

明日で付き合って1ヶ月なのだが。

ほぼ毎晩LINEでビデオ通話、朝はモーニングコールで起こしてくれ、週末予定が合うときはずっと一緒に過ごす。

アラサーこじらせ女をここまで愛してくれる男なんでもう現れないと思う。

嫁にもらってくれたらいいな、と切実に思っている。

先週末、はじめてまともにご飯を作ってあげたら、すげーうまいといってご飯3回もおかわりして食ってくれた。

いい食べっぷりの男は大好き。

食の好みもぴったりで、辛いものもエスニックもクセのある食べ物もいけるクチな私たち。

今までともにした食事はすべて美味しかった。

これからもこの人と美味しい記憶をたくさん積み重ねていきたいな。

ずっとそばにいれますように。

神様どうかおねがいします。

 

 

 

夢の3週間

先生と別れた。

たったの3週間だったけれど、心の深いところに刻み込むような気持ちで、心と時間を費やした恋だった。

予想以上に短くて、でもものすごく濃密な恋だった。

先生、本当にありがとう。

彼氏と過ごす初めての週末を楽しみに仕事していた水曜日、先生から「土曜日の夜そっちに来ていい?」とメールが入った。

顧問をしている部活の大会で近くまで(といっても車で2時間)来て宿泊するのだという。

夕食が終わってから翌朝まで、宿を抜け出して会いに来るって。

土曜の夜は友達と女子会の予定、帰宅が遅くなるかもしれない、と伝えると、それでもいいと。

金曜夜、初めて彼氏とセックスをした。

長い間体を重ね、唇をむさぼり合い、ベッドでも布団でもお風呂でも交わった。

「あたし、Kくんのこともっともっと大好きになってもいい?嫌いにならない?」

「もちろん。嫌いにはまだならないと思うよ」

「まだって?」

「あと80年くらいかな」

翌日の夕方までの22時間で、私はこの人との将来が欲しいと確信した。

そして、先生との恋を、終わらせようと決意した。

愛しくて大事な彼を失いたくなかった。

メールでは言えなかった。

「明日xx時にそちらへ着けると思います」

「電話できるかなと思って、遅くまで待っていた。

xxに会いたいって言われて、嬉しがる声を聞きたかった」

先生からのメールは絵文字沢山で、愛情にあふれていた。

一週間前の私なら、嬉しさで舞い上がっていたのだろう。

けれど、女は残酷な生き物で、Kくんを愛しはじめている私にはもう、前ほどの熱量はないのだった。

先生は予定通りの時間にこちらへ着いて、女子会を終えて出てきた私を拾ってくれた。

運転席からにじみ出るような先生の愛情を右頬に感じながら、いつ言おうか、そればっかり考えていた。

セックスしたらきっと私泣いてしまう、無理だ、とも思った。

家について、濃いブラックコーヒーを飲みながら先生と話した。

「こないだ飲みに行くって言ってた人とはどうなったの?」

うそはつけなかった。私は洗いざらい喋って、

その日に付き合うことになったこと、彼がいかに素敵な人かということ、まだ一週間だけど彼を大事にしたいこと、先生とはもう会えないということ。

うつむいて話し続けていると涙があふれてきた。

先生は、かなり驚いていたけど、祝福してくれた。

2人並んで布団に横になって手をつなぎながら、沢山沢山話をした。

「xxに話したいことが沢山あったのになあ。もうこうやって話せないのか。」

先生も泣いていた。

何回も涙を流す先生の頭をそっと胸に抱いて、私もまた泣いた。

私のおかげで世界が違って見えるようになったのだと。

心も体も丸裸にされたんだって。

今まで固く閉じてきた心のフタを、わたしがするするっと開けたのだと。

でも人生って、本当に勉強になるなあ。

そんなにうまくはいかないんだなあと。

本当に夢のような時間をありがとう、と。

結局、先生が家を発つまで一睡もせずに2人で話していた。

セックスはしなかった。

「先生、わたし今日覚悟はできてる。でも、抱かれたら泣くかもしれない。セックスしなかったら少しほっとするかもしれない」と言うと、先生はやめておくと言った。

泣いて、笑って、また泣いて。

やっぱり今夜先生と会ってちゃんと伝えられてよかった。

「この思いはこのまま冷凍保存しておくから」

また私が、いつか俺に会いたいって思ったら連絡してと。

いつでもチンできるようにしておくからと。

私は本当に嬉しかった。

あれだけ恋焦がれていた先生と、ほんの短い間でも深くかかわることができて、その人の心の奥をのぞいて、裸にしたのだ。それを先生は私にとても感謝してくれた。

早朝4時半に家を出る先生と、固く長く抱き合った。

一度だけ唇に軽くキスされてまた抱きしめられた。

「xxの幸せと、いつかチンできる日が来ることを祈ってる」

「先生、また会える日まで元気で」

名残惜しそうに、ほっぺたをなでていった先生の右手の感触が左ほほから消えなくて。

玄関にしゃがみこんでしばらく動けなかった。

もし彼氏がいなかったら、あのまま続いていたのだろう。

先生にどっぷりはまって、私も先生も奥さんとの離婚なんて望んでいないのだから、別れはそれこそ辛かっただろう。

これでよかったのだろうとほっとする。

私、また先生のファンに戻ります。

素敵な思い出を胸にしまって、彼氏を大切に生きていく。

神様、こんな恋をさせてくれて本当にありがとうございます。

私を愛してくれた男性のためにも、もっと幸せな女になろう。

 

 

彼氏とか先生とか結婚とか不倫とか

まさかまさかの。

彼氏できてもーた。

8月に参加した飲み会で隣の席だった男の子。

178cm・メーカー・28歳の強面。

ラインはまめに返してくれるのに、ちっとも飲みに誘ってくれないので私から誘って焼き鳥食べに行った。

19時待ち合わせ、焼き鳥つつきながらビールで乾杯。

地鶏が美味しいー。

お互いの出身地、仕事、友達、家族や兄弟の話まで。

あの時からびびっときてたんだけど、やっぱりこの人とは合う!

そばにいると自然体でいれるというか。。ほぼ初対面なのに不思議。

「どんな人がタイプなの?」

「最初会ったときからびびっときてたの」

「全然誘ってくれないからさみしかったー」

とか押してたらだいぶ照れてる。まんざらでもなさそうな様子を見逃さない私。

「あたしはアリ?ナシ?笑」「ちょっと考えてみて~(んにこにこ)」

とかやってたら、「付き合っちゃいます?」って!

えええええ!ちょっと考えてくれるだけかと思ってたらまさかのこくられ!

もちろん即OKした。

じゃあこれからもよろしくね、って改めて乾杯する。

「あたしキレイ系じゃないけどいいの?」

て聞いたら、かわいいときれいの中間だからいいんだってさ。何だそれ。

21時半、恋人つなぎで駅まで帰る道すがら。

こんなこともあるもんなんだねぇ、って

お互いちょっと半信半疑な感じが笑えた。

本当にあたしでいいの?クリスマスまで続いてるのかな(笑)

「いや、続けようよ!笑」と言ってくれた。

雨の中、家まで送ってくれた。

傘を取りに一緒に玄関に入ったとたん。

ドアばたん→後ろからぎゅっとされる

理性とけちゃった私

振り返って首に抱きつく。

彼が身をかがめてキスしてきた。

タバコの味のする舌に絡め取られて、たまらなくなる。

玄関でひざから崩れ落ちてしまう私を、太い腕で支えてくれる。

ああもう、この瞬間大好き。

絡み合ってたら終電の時間。。

ちゃんとゴムないとしない主義の人で、続きはまた週末にということで解散。

初デートで寝なかったぜ!いえい。

しかし、こんなにあっさり付き合えるとは。。予想外。

先生とも来月会う約束したばっかりでラブラブなのに

こりゃどうすっべな。

心乱れる秋の夜長です。

 

深夜のメール

昨夜0時過ぎのこと。

もうすぐ仕事関係のセミナーがあるため、勉強していた。

久々に机に向かったので頭が興奮したのか、なかなか寝付けず、先生にメールした。

「勉強したせいで興奮して眠れない。いま先生が隣にいてくれたらいいのにな」

すぐに返事が来た。

「寝ようとしてた。中間テスト中で忙しくはあるけど、毎晩電話したくてしかたないのを我慢してる」

私に、沢山話したいことがあるんだって。

だから今何から書いていいかわからないって。

可愛いなあもう。

あさってにはテスト終わるから電話すると。

「ほんと、声が聞きたい」

おやすみなさい(はあとの絵文字)って初めて送ってくれたのでキュン死しそうだった。

余計眠れんわい!!

あー今夜も勉強せんといけません。

週1くらいに抑えてやり取りするメールっていいかも。

重いが凝縮される気がする。ラインより。

勿論、手紙に比べたら凝縮度は低いけれども。

カルマの神様。

きっと穏便に終わらせますから、もう少しだけこの時間を刻ませてください。

非常によろしくないね。

よろしくない。

この関係は、非常によろしくない。

嫁にいきたい私と、家庭のある先生。

なのにどんどん、先生の占める割合が増えていってる。

このまま先生の比重が増えてったら、ほんとに婚活しなくなっちまうなあ。まずいな。

いやしかし、好きなもんを嫌いになるのはいとかたし。

ずっと恋焦がれてた人だから、あともう少しでいいからこのままでいたいと思ってしまうのだ。

いつか終わりがくることはわかってるんだ。

一年後にね、なんて言ってたけどやっぱり二人とも我慢できなかった。

二ヵ月後に会う約束をした。

 

先生からのメール(LINEじゃないところがまたときめく)や着信があると心臓が一拍すっとばす。

「仕事中にごめんね。今夜、電話できる?

子供が寝てからだから、23時過ぎるけどいい?

ちょっと聞きたいことがあって、できれば直接話をしたいから」

こんなこと言われたらもう、飲みは一次会で切り上げてさっさと帰宅してケータイの前に正座。

ワンコールで出ますよ!

って、23時ぴったしにかかってきたせいで動揺し、間違えて「切」押すという慌てぶりに、我ながら苦笑する。

あらためて私から掛けなおしたりして。

お家はそんなに広くないからと、車にいるんだとか。

「この二日間、なんかぼーっとしてたよ。連休ボケってことにしてごまかしたけど」

同じくです。

私も仕事に身がはいらなくて、しかもなんか熱まで出してた週末。知恵熱ならぬ、恋熱。こんなの初めてだよ。

「今度、1x月xx日にそっちに行けそうなんだけど、会えますか?」

もちろんです。何が何でも予定空けときます。

チケットとったから、一緒にxx見に行こうって。

前夜からうちにお泊りして一緒に行く予定。

「ああよかった。まだだいぶ先だけど、これを楽しみに生きていけそう。」

私もだ。

奥様のお許しが出たそうで、確定の連絡も頂く。

ああああもう楽しみすぎて死ぬ。

高尚的要死!!

授業中も、隣でも電話でも、先生の声はいつも素敵だ。

それを伝えたら、ものすごく照れて、わざと低めの声など出して私を喜ばせようとしてくれる。

いつものように先生は饒舌で、楽しく話しているとあっという間に2、30分が経過していてあわてる。

先生は、これまで風俗遊びもしたことがないし、パートナー以外とのセックスも経験がないという。

私が「意外とできるっしょ?」と笑いながら聞くと、いや俺はやっぱり体だけってできないなあと。

「結婚してる俺の状況でこんなこと言うとすごく薄っぺらくて嫌なんだけど、好きだよ」って。

悩ましげな声で言ってくれるところがたまらなく好き。

先生は、自分の気持ちを正確に言葉にしようとしていつも悩ましげである。

そこに先生の頭の良さと誠実を感じて、私はもっと先生が好きになってしまう。

下の名前で呼ぶようにするね、とも言ってくれた。

先生は先生のままでいいらしい。

あああもう私、このとき死んでもいいと思った。

私何回死ねばいいんだ!

 

お互い、周りの誰にも言えなくて頭がうわーってなりそうだね、と話した。

連絡を取るのは基本、会う前や用事があるときだけにしよう。

でも、頭が壊れそうになったらかけてもいい?って。

私も、周りの友達の誰にも言えないからきっとそんな時が来ると思う。

「彼氏見つけて、幸せな結婚してほしいと心から思うよ。でも具体的にそれを想像するのはものすごく嫌だ。」

そんなもんだよね。

私も、奥様以外の女性と親しくしている先生を想像するのはすごく嫌だから。

私以外には絶対作らないよ、とは約束してくれたけど。

あったかくてまっすぐ素直に気持ちをぶつけてくれる先生がとても可愛い。

他の人に嫉妬する気持ちや、私をかわいいとほめてくれる口ぶり、先生の頭を抱いてあげると嬉しそうに目を閉じている様子、すべてまっすぐに見せてくれる先生がかわいい。

年とったら、余計な見栄やかっこつけがなくなるのかもしれないな。

かわいいかわいい先生。

私もあの頃よりはずいぶんまっすぐなボールを投げられるようになった。

これから終わりが来るまで、一瞬一瞬を心に刻んでいきたい。

いつか終わるんだから、と言うと先生はとても悲しそうに怒っていた。だから先生の前では言わないけど、いつもこれが最後、と思って会おう。

誰も傷つけないように、傷つかないように、毎回大事に。

戻る場所のない私は先生よりも怖いから。

4年ぶりに先生と。

デートしてきたので思い出メモ。

 

高校生の時、ひそかに3年間片思いしていた先生の年齢は私の一回り上、アラフォー。

卒業する時、勇気を出して連絡先を教えてもらっていたのだけど

当時大変な男性恐怖症かつ喪女だった私はそれだけでもうなんか満足してしまって、そのまま一度も連絡を取らずにいた。

 

月日は経ち、今から4,5年前だったか。

地元でひょんなことから再会して、懐かしく立ち話などしたのだった。

秋の西日に照らされる私をみて先生は

「すごく垢抜けたな。きれいになったなあ」って目を細めてくれた。

その懐かしい声に、あの恋焦がれていた気持ちがまたよみがえってくるようだった。

その後、何度か二人で飲みに行った。

 

すでに先生は結婚していて、子供も生まれたばかりだった。

部活の指導の後とか、仕事帰りに時間を作って、内緒でデートした。

「高校の時、本当はずっと好きだったの」

「なんで結婚しちゃったの?」

「先生の家に行きたい」

3回目だったか、少し遠いレストランに連れて行ってくれた夜、あほな私は酔っ払った勢いでこんなことをほざいた。

先生は困惑していた。でも少し嬉しそうな顔をしたのを私は見逃さなかった。

「まだ降りない。ぜったい降りない」と、タイムリミットが迫る助手席でさんざん駄々をこねたりして、先生をとても困らせた。

でも結局、手もつながず、キスもせず、抱かれもしなかった。

先生は先生、その言葉に私は従うしかなく、車を降りた。

それから会うことはなかった。

当然だ。

本気だったわけじゃなく、ただ少し無茶を言って甘えて、先生に諭されたかっただけなのだ。

だから一週間前に先生からメールがあったときは、本当にびっくりした。

「連休でそっちに行く用事ができたから、よかったら会わない?」と。

ちょうど夕方から都合が会ったので、車で来ているという先生に拾ってもらう。

5年ぶりに会った先生は、かなり太っていた。

横幅も厚みも増していて、聞くと10kg以上太ったという。

元から細い人ではなかったし、そこが先生の魅力ではないので私には全く気にならなかった。

年相応に老けて、体系も崩れているけど、やっぱり声はあのままで、とても気の利く話の面白い博識な先生のままだった。

夕暮れの迫る町を抜けて、ちょっと遠くの和食屋さんに行った。

お酒が飲めない先生と、炭酸で乾杯。

いろんな話をしてくれた。

子育てのこと、今の学校のこと、結婚のこと、奥さんのこと、同僚のこと。

当時のクラスメイトや先生たちのこと。

モトカノのこと。

私の恋愛のこと。どうしたら嫁にいけるかという相談ごと。

話はつきなくて、料理は熱々で、二人してよく食べよく笑った。

いつも一番前の席から見上げていた先生。

今日は私の右隣で、横画を見ながら話しているのが、なんかとても不思議だった。

そのあと二人でカラオケに行った。

先生は本当に歌が上手で、私のリクエストした曲をすべて心をこめて歌ってくれた。

こんなにいい歌声の人はあんまりいないと思った。

私の下手な歌も、上手だとほめてくれた。

23時近くなり、先生に、今日はもう帰るんでしょ?って聞いたら、明日の朝までに帰ればいいと言う。

私はちょっとびっくりした。

奥さんと子供は、実家にいて、明日帰ってくるのだという。今日は内緒できたんだと。

私はもっとびっくりした。

そして私たちは、あてもなく夜のドライブへ出かけて。

ここでもまた、沢山話をした。

恋愛のこと、セックスのこと、特に私の男運がないことを主に話していた。

イケメンが好きとか、背の高い人が好きとか言うと、先生はちょっとすねる。

先生の魅力はそこじゃないよ。私は先生が今でも好きだよ、と言ったら、先生は私を見て「ありがとう」といってくれた。

そして、最後に別れた日、無理やり私を車から降ろしてしまったことを詫びたのだった。

「まっすぐに感情をぶつけられて、心が揺さぶられた」

「ずっと心にひっかかって、5年間悩んでた」

「本当はすごく嬉しかった」って。

 

私はまたまたびっくりした。

以前にあんなことをしてしまって、もう会ってはくれないと思っていて、今日はご飯とドライブで十分満足で帰るつもりだったのに。

深夜2時、家まで私を送り届けてくれた先生を、家に上がる?と誘うと、先生はありがとう、じゃあちょっとだけ、と言ってついてきた。

私はもう、どうしたらいいかわからなくなっていた。

先生は今日、あの日のことを謝って、私の気持ちにこたえるつもりで来てくれたのだろうか?

 

うちを早朝に立つ、という先生に仮眠を取ってもらうことにして、私はお布団をしいた。

熱いお茶をいれて、二人で飲んだ。

私は本当に信じられなかったけど、すごく嬉しくかった。

布団に寝そべる先生から少し離れたソファに横たわっていた。

「眠そうだな。ごめんな」と優しく頭をなでてくれる先生の長い手。

「もっと横にいってもいい?」と聞くと、先生はいいよと微笑んだ。

先生の太くて長い腕にぎゅっとくるまれた。

私はいまだに信じられなかった。幸せで、夢かと思った。

「私は先生なら何されてもいいよ」

先生はそれから、しばらく葛藤していたみたいだった。

でも「このままではやっぱり眠れない」といって、私の頭を抱えてキスをした。

たくさん舌を絡めあって、首筋、肩、胸、と全身をいとおしむように舐めてくれた。

裸になって横たわる私を「すごくきれいだよ」といってほめてくれた。

私は死んでもいいと思った。

先生はやっぱりだいぶ太っていたけど、手指の動きはとても優しくて愛がこもっていた。

とても太くて大きかった。

たっぷり濡れていたけど、最初は入らないかとおもったくらい。

「結婚すると、つけなくなってしまって」

という。

私たちは生まれたままの姿でずっと交わっていた。

先生はすごく気持ちよさそうで、何度も何度も私に「ありがとう」って言った。

私は何もお礼されるようなことはしていないのに。

私のほうがありがとうだよ、と思いながら。

夜明け前まで交わって汗だくになり、シーツを替えて私たちは短い眠りに落ちた。

明け方、運転に備えてシャワーを浴び、服を着替える先生を布団から見上げていると、なんだかとても不思議な気持ちになった。

制服で壇上の先生を見上げていた自分が、まさか1x年後には先生に抱かれて、朝帰っていく先生を見上げているなんて、ちょっとおかしかった。

先生といた時間は本当に楽しくて、あっという間だった。

服を着た後も名残惜しく先生にまとわりついていると、もうちょっと横になっていよう、と布団に押し倒された。

そしてせっかく着た服をまた全部脱いで交わって、沢山キスをした。

幸せだった。こんなに愛のあるセックスをしてもらったのは久しぶりだった。

私はたくさん吹いて、頭が真っ白になるくらい立て続けに逝った。

帰らないで、まだ一緒にいたいと思った。

でもタイムリミットは厳守だ、だって奥さんと家庭を壊す気など私には全くないから。

「これが最初で最後だよ?」と言うと、先生は無言だった。

「あまり優しいこと言うと、またきたくなるよ」

「私、結婚もしたい。彼氏もほしい。じゃあ一年後にまたくることがあったら会おう」

そう言って、私たちは玄関でぎゅっと抱き合って、別れた。

夕方、奥さんより先に無事に帰宅できたとメールが入った。

「車運転しながら、またそっちに行きたくなってしかたなかった。一年待てそうにない」と。

私も、先生との幸せな余韻に浸ってしまって、結局何にも手に付かないまま一日が終わった。

 

はたから見れば、ありきたりな浮気の話なんだろう。

子育てに忙しい妻とセックスレスな先生の、ちょっとした暇つぶしなんだと思う。

不倫、かー。うん、これは不倫だな。

ダメだな私たち。

聖人君子なんて世の中にはいないもの。

先生が、ただ今の生活を大事に、奥さんと子供を大切にするよき父であってほしい、そしてよい先生であってほしいと願う気持ちは本物。

もし一年後、私がまだ独り身だったらまた会うのかもしれないな。

その時も今日みたいによく晴れた秋空だといいな。